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土地活用アパートの「種類」と簡単に書いてしまいましたが、詳細に書くと膨大な数になってしまいます。そこで、「規模別」および「工法別」でその種類を説明していきます。まずは、「規模別」の種類です。
●マンションなどの高層賃貸住宅
1棟形式の2階建てないし3階建ての賃貸住宅
●一戸独立タイプの賃貸住宅
低層の連続住宅で、一戸ごとにテラスと専用の庭をもつもの。
それぞれの特徴は次のとおりです。
都市部を中心に、広く普及しています。特に地価が高いところは、一定の収益を上げる必要があるために、大きなマンションでの経営を行います。「分譲賃貸住宅」というカテゴリーもありますが、こちらは、分譲マンションとして売り出されたものを、投資用に賃貸として貸し出しているものです。
全国的に一番供給量が多いのは、この低層住宅ではないでしょうか。比較的場所を選ばず建築することができ、デザインや設備が豊富で、駐車場も設けることができるなど利便性も高く、建築費も他と比べて低く抑えることができるため、土地持ちオーナーからサラリーマンに至るまで、幅広い人気を誇っています。
上記2つに対する差別化商品として出てきたものです。おのおの独立した住居となっていますので、プライバシーが守られるほか、有効に使用できるスペースも多くあります。最近は、コアザイナーズ賃貸のような、設計・施工・設備・仕様に凝った商品も登場し、人気を得ています。
元々日本にあった「長屋」をゴージャスにした感じです。こちらは、全国で見かけるのですが、地方では「タウンハウス」とよばれるところもあります。匸言でいえば、メゾネットの戸建て風長屋のようなイメージです。対して、都市部にあるものは、ひときわ贅沢に見えることから、いわゆる、エグゼクティブが利用しているケースが多いようです。海外でリゾート地に行った時にもよく見かけます。
土地活用アパートの「工法別」の種類についてですが、代表的なものを挙げると次のようになります。
日本の気候風士に合った、日本古来の建築工法で、「在来工法」といわれます。柱と梁を組み合わせて建物を建築する工法です。比較的自由度の高い建築ができます。
【自由度の高さ】
在来工法(木造軸組工法)では、設計の自由度が高く、間取りやデザインを自由に設定することができます。個々のニーズに合わせたオーダーメイドの建築が可能です。
【修理・改修の容易さ】
部分的な修理や改修が容易で、部屋の間取りを変更したり、一部を増築したりすることが可能です。
【天然素材の使用】
木材を本体とした自然素材を使用するため、環境負荷が少なく、また生活空間としての温もりや呼吸感が得られます。
【施工時間とコスト】
在来工法(木造軸組工法)は手作業が多く、施工に時間がかかります。また、それに伴い建築コストも高くなる可能性があります。
【メンテナンス】
木材を本体としているため、経年劣化や虫害、腐食などによるメンテナンスが必要です。
【遮音・遮音性】
プレハブ工法などに比べて遮音性・音響性が劣る場合があります。隣接する部屋や階との音の遮断に配慮する必要があります。
これらを考慮に入れ、建築地域の環境、予算、ニーズに合った最適な工法を選択することが重要です。
建物の全荷重を木質の耐力壁で支える工法です。パネルで6面体を形成しているので、機密性や断熱性が高く、また地震や台風の力を面で受け止めるため、剛性が高いのも特徴です。北米生まれの頑丈工法です。
【断熱性】
2×4工法では壁内に断熱材を充填するため、断熱性能が高くなります。これにより、冷暖房費を考慮でき、快適な室温を守ることが可能です。
【防音性】
壁内に断熱材が充填されているため、防音性も高いです。音漏れを守ることができ、プライバシーを守ることが可能です。
【施工速度】
部品を工場で施工し、現地で組み立てるため、施工期間が短縮され、コストを重視できます。
【自由度】
設計自由度が来工法に比べて低いです。基本的には直角に近い形状の建物を建てることが多いです。
【修理・改築の難点さ】
壁内に断熱材が充填されているため、その後の改築やリフォームが評判になる可能性があります。 特に、配管や電気の変更は大掛かりな工事が必要となります。
【木材の種類】
2×4工法では、一部に針葉樹材を置くことが一般的で、これは来工法で使われる広葉樹材よりも強度が劣ります。
在来工法(木造軸組工法)の仕組みを取り入れ、構造材を軽量鉄骨に置き換えた工法です。軽量の鉄骨材を使用することによって重量とコストを抑え、工期も短く、かつ耐久性も高めています。大手プレハブメーカーの主力工法です。
頑丈で厚みのある「H鋼」等を柱や梁に使用して建物を建築する工法です。鉄骨自体が強度を持つため、柱の本数や筋交い(プレース)等の補強が少なくて済むので、設計の自由度が高く、耐震性が高いのが特徴です。
現場で鉄筋を組み、型枠を組んでコンクリートを流し込み、躯体をつくる工法です。圧縮に強いコンクリート(引っ張りには弱い)と引っ張りに強い鉄筋(圧縮には弱い)を結合させることで、より高い強度を生み出した、耐震性・耐久性・耐火性に優れた工法です。
主鉄骨の剛性とコンクリートエ法の特徴である、コンクリートの圧縮に対する強さ、鉄筋の引っ張りに対する強さをも兼ね備え、現状においては最も高い強度を持ち、耐久性・耐震性にも優れています。さらに、設計の自由度も高く、柱の間隔を広くできるので、開口部を大きくとることも可能です。
このページに書ききれない工法もいくつかありましたが、賃貸住宅を建築するに当たっては、ほとんどの場合、ここに書いた工法のいずれかで建てられているはずです。どの工法も一長一短があり、どれを選ぶかはオーナーの懐具合や、好み、所有地の条件等によって決まってきます。
このサイトの中で、一番書くのが難しいのがこの「建築費の目安」です。賃貸住宅はお店に売っている商品と違い、はっきりとした定価がありません。したがって、何を基準にするかという目安もありません(坪単価という目安がありますが、あくまで参考程度です)。
それというのも、建築費の内訳によって金額が違ってきますし、オーナーの予定地の状況によっても違ってくるからです。さらに、戸数や設備によっても異なります。したがって、全国のどの場所においても全く同じ値段で売る(買う)ことはあり得ません。では、どのように建築費を考えていくかですが、年間家賃の10倍と12倍を想定した建築費の目安を作っています。10倍は標準の目安、12倍はこれ以上ならあきらめる限度の目安です。ちなみに、10倍なら10%、12倍なら8.3%の表面利回りになります。
建築費は、自分の賃貸住宅経営計画の中で想定するものであり、人から提案されるものではない、というのが私の考えです。したがって、提案を受けるのであれば、前提条件を必ず揃えて、見積りをしてもらうべきです。それも、できれば複数による見積りをお願いしたいところです。
オーナーによっては、営業マンまたはメーカーとの関係が強固で、相見積りを取ることすらしていない方もいます。しかし、それは経験のある人の場合であり、初めて参入される方は、必ずこの基本を踏まえてください。建築費を含む全体のコストを把握し、利回り(またはキャッシュフロー)を自分の感覚として掴むことは、オーナーの大切な仕事でもあります。